唄と詩―●うたとうた●

猫の遠吠え

 

長いしっぽを振りまわし
いつもの路地駆け抜ける
夢であいつが手招いた
もうここにはいられない

 

くるくる嗅ぎまわっては
ぐるぐる掻き乱される
夢であいつが耳を打つ
アイテムを手に入れにゆく

 

あの輝く沈む茜色
欠けゆく星影集め

 

 

凛と立つ耳自慢げに
いつもの路地あとにする
あいつのような羽はない
おいしい声色たどる

 

くるくる嗅ぎまわっては
ぐるぐる掻き乱される
夢であいつが手招いた
もうそこには戻れない

 

このかすれた声の遠吠え
どこまでここまで響くか

 

2012